晴れて卒業の日を迎えたみなさん、ご卒業おめでとうございます。
一人一人に手渡した卒業証書は、小学校6年間の学びの証です。お家の方や地域の方々、ともに学び、ともに過ごした友達への感謝を胸に、歴史と伝統ある今田小学校の卒業生としての誇りを持って、新たな一歩を力強く踏み出してほしいという願いを込めたものです。お家の方々に見守られながら、卒業の日を迎えることができた喜びをしっかりと胸に刻んでください。
令和4年度、卒業生のみなさんは、今田小学校の最上級生、リーダーとして、自分たちに何ができるか考えて実行し、確かな足跡を残しました。
運動会。夏休みの間から応援合戦の計画をはじめたみなさん。最初、下級生の前に立ったときはどきどきだったと思います。しかし、練習を重ねるうちに、みなさんの声、姿勢は堂々としたものになりました。次第に下級生をぐいぐいと引きつけ、引っ張るようになり、本番では素晴らしい応援となりました。また、トラックを懸命に走りバトンを渡す姿もかっこよかったです。
修学旅行。広島を訪れました。被爆体験のお話を真剣なまなざしで聞き、平和について学びました。平和な世界をつくるために、自分たちに何ができるか考え、下級生に伝えることができました。みんなで泊まった岩国の夜は楽しかったですね。
学習発表会。「サーラー~丹波焼の旅へLet’s go!~」題名を見たとき、「サーラー」って一体なんだろう?と思いました。今田の宝物である丹波焼を外からの視点で紹介しました。おもしろかったです。今田の宝物、丹波焼を誇りに思っていることが演技から伝わってきました。今田は、丹波焼を始め、様々な宝物がいっぱいある町です。今田の良さを大切にできる人、今田の良さを周りに伝えられる人になってください。
6年生を送る会。5年生が企画して、1年生から5年生までのみんなに卒業をお祝いしてもらいました。下級生のみんなが6年生の卒業を心からお祝いしてくれている気持ちが伝わってきました。それは、なぜかわかりますか?それだけ卒業生のみんながリーダーとして一生懸命がんばったということ、下級生からあこがれられる6年生に成長した、ということです。
さて、卒業するみなさんに一つの言葉を贈ります。
「ぼくの前に道はない ぼくの後ろに道はできる」
これは、明治時代の詩人高村光太郎の詩「道程」の最初の一節です。自分の将来に決まった道はない、自分の力で道を切り拓き、道を作っていくことで、自分の後ろに道ができてゆく、という意味です。3大会、14年ぶりの日本の優勝で幕を閉じたワールドベースボールクラシック。大会MVPに輝いた大谷選手は、まさしくその通り道なき道を切り拓いています。ピッチャーとバッターの二刀流が無理だと言われたことは数え切れない、でも、二刀流が無理だと思ったことは一度もないそうです。今では大谷選手以外にも二刀流をめざす選手も出てきました。大谷選手が道なき道を切り拓くことで、大谷選手の後ろに道ができたのです。志、言わば目標をもって挑戦し続けたからこそ、今の大谷選手があり、後に続く選手が出てきたのです。
みなさんの前にも決まった道はありません。道を切り拓いてゆくのは、あなた自身です。道を切り拓くために、志、目標をもって、挑戦してゆくことが大切です。志をもって挑戦したからといって、必ずその志が達成できるとは限りません。むしろうまくいかないことの方が多いかもしれません。でも、挑戦しなければ、志にたどりつくことはできないのです。うまくいかなかったとしても、挑戦したことは、あなたのこれからの力に確実になっています。
志をもって挑戦しようとするあなたたちを支えてくれる周りの人は、友達やお家の方を始め、たくさんの人がいます。つながりを大切にしてください。周りの人とのつながりは、志をもって挑戦しようとするあなたを必ず応援してくれます。暖かい応援に対してあなたが感じる感謝の思いがつながりをより太くします。太く豊かなつながりこそが、あなたの挑戦を支えてくれるはずです。
つながりに支えられ、志をもって挑戦することが、道を切り拓くこと、自分の後ろに道をつくっていくことにつながります。
「ぼくの前に道はない ぼくの後ろに道はできる」
今田小学校の卒業生であることに誇りを持ち、つながりを大切に、志をもって挑戦する中学生になってください。